
石井 康成
Yasunari Ishii
2020年 中途入社
工事部 土木施工管理
言われた通りに動くだけじゃ、
面白くなかった。
自分の手で、
もっといい現場をつくってみたい。
「このままじゃ、成長できない」——
地元を飛び出し、手探りで選んだ道の先で、
石井は“考えて動く仕事”の面白さに出会った。
最初は、与えられたことを
その通りにこなすだけの毎日。
けれど、頭を使って段取りを組み、
現場を動かし、人と人の間に立つなかで、
仕事の意味も、自分の役割も、
少しずつ変わっていった。
いちばん頼りになる道具は、何気ない会話。
配管をつなぎ、心をつなぐ。
石井の現場には、確かな“信頼の空気”が流れている。

「このままじゃ、成長できない」そんな、
不安からの転職。
父は地元の福島で小さな車の整備工場を営んでいて、僕は五人兄弟の真ん中でした。上の兄と姉は大学に進学しましたが、僕は「これ以上親に負担をかけたくない」「借りをつくりたくない」という気持ちが強かったんです。高校に入る前からすでに、大学には行かないと決めていました。だから、高卒でも就職に少しでも有利になればと、工業高校への進学を選びました。電気科にした理由は、仲の良い友達が一緒だったっていう、なんてことない理由でしたけど。父の工場を継ぐつもりはなかったですね。地元から早く出たいという思いもありました。田舎で生まれ育った自分は、東京とかTVを通してしか見れないような、キラキラした世界に憧れていたんです。
卒業後は、全国に拠点を持つ大手の電気工事会社に就職しました。もちろん、配属先の第一希望は東京。でも、実際に配属されたのは地元の福島県で…。がっかりはしたけど、仕事自体は新鮮で面白かったんです。病院や工場などの現場で配線を引いたり、照明設備を取りつけたり。いわゆる電気工事の作業員として、2年ほど現場に出ていました。でも次第に、「このままでいいのかな」という思いが強くなっていったんです。任されるのは、すべて“決められたことをその通りにやる”仕事ばかりで、自分で考えたり判断したりする場面は、ほとんどありませんでした。まわりには歳の離れた、職人気質な先輩が多くて、仕事は「見て覚えろ」という空気が強かった。自分の成長が、ここで止まってしまうような気がしていました。
転職サイトを眺めていたとき、とだか建設が目に留まったのは、勤務地が東京に近い埼玉だったからです。土木工事の会社でしたが、電気の経験も活かせそうだと思えたし、なにより選考のなかで、社長と二人で話す時間があったことが印象的でした。若手も多く、年齢に関係なくチャレンジできる環境がある。そして、頑張った分だけきちんと評価してくれる。面接を終えたときには、「この会社なら、働き方を変えられるかもしれない」と素直に思えて、入社を決意しました。


身体を動かすだけじゃなく、
もっと頭を動かして。
体を動かすという点では、電気も土木も似ていると思っていたんですが、いざ現場に出てみると、やることはまったく違っていて、扱うものも、現場のルールも、関わる人の数も違います。覚えることも多くて、最初は不安だらけでした。とだか建設では、いきなり現場監督を任されるのではなく、まずは作業員として現場に入り、ひととおりの工程を経験するところからはじまります。僕は前職の経験も活かせる電線共同溝という現場を主に任されました。電線共同溝の工事とは、電柱をなくし、電線を地中に通していく工事。先輩たちと一緒に、マンホールを据え付け、配管を敷設する作業に汗を流しました。
そんななかで、転機になったのが東京・上板橋駅前での再開発工事でした。駅前一帯の電柱を撤去し、電線のない景観へと変えていくプロジェクト。僕は先輩の津曲さんのサブとしてその現場につきました。段取りを考え、写真を撮り、書類をまとめ、作業員さんたちと打ち合わせをしながら現場を動かしていく。そこで初めて、「現場監督の仕事」の本質を体感したように思います。津曲さんからは、「現場監督とは、段取りも施工の中身もお金のことも、一番よくわかっている人がやる仕事なんだ」と教わりました。ただ指示を出すのではなく、誰よりも現場を理解し、全体を見渡して最適な動きを組み立てていく。一作業員だったころでは見れなかったような景色がありました。
最初から現場監督になりたいと強く望んでいたわけではありません。でも、現場で体を動かすだけでなく、「どう段取りすればスムーズに進むか」「どの順番で作業すれば安全か」を津曲さんといっしょになって頭を動かし、組み立てていくなかで、その面白さに引き込まれていったんです。
何気ない会話が、
良い現場をつくる。
現場監督としての仕事が増えるなかで、あらためて実感するのが、作業員さんとのコミュニケーションの大切さです。監督には段取りや進捗管理など、いろんな役割がありますが、実際に現場を動かすのは人。いくら監督が「こうしてほしい」と思っていても、それを現場で形にしてくれるのは作業員さんたちです。だからこそ、「この人のためなら頑張ろう」と思ってもらえる関係性がなければ、現場は回りません。そのために大事にしているのが、“何気ない会話”です。現場の合間に「休日は何してたんですか?」なんて聞いたり、仕事以外の話も交えながら、自然に会話を重ねるようにしています。特別なきっかけがあったわけじゃありません。でも、お願いする立場である以上、気持ちよく協力してもらえる関係性を築きたいと思って、自分から積極的に話しかけてきました。たとえば配管をつなぐ作業。規定どおりやるのが理想ですが、多少甘くても通ってしまうのが現実です。でも僕は、「せっかくやるなら、ちゃんとやりたい」と思っているし、それを伝えるには、日頃の信頼関係が欠かせません。「ここまでお願いできますか?」と伝えたとき、「わかったよ」と快く応えてもらえるかどうかは、普段からの会話や空気づくりにかかっていると感じます。
電線共同溝って、どれだけ良い仕事をしたとしても、最終的には地中に埋まっちゃうんですよ。だから、「この建物は俺がつくったんだ」とか、そういう自慢話はできません。でも、自分で決めて、自分で動いて、動かして、そして、良い現場をつくれたっていう達成感とか自信は、積み重なっていくんです。それが、僕という人間を大きくしてくれる。これから、もっと良い現場をつくれるようになりたいですね。





